こんにちは。同人サークル「暁月公民館」館長の”暁 けーな”です。さて、「館長が綴る」第2回目です。去る2024年5月26日、東京ビックサイトで行われた「COMITIA148」にサークル参加いたしました。4月21日開催の「オリComi」に引き続き、”星音せのん”さんの「のねさうんど」との合体サークル。やはり、誰かと出るのは楽しいです。
さて、COMITIAは5,065サークル参加の大型イベントでした。恐らく、一次創作オンリーのイベントとしては日本最大規模でしょう。いつかは出たいと思っていたCOMITIAを終えた今。節目として、何故私が”創作活動”をしているのか、続けたいと思っているのか。率直な今の感情を、書き残しておこうと思います。
人と”繋がる”ため
創作活動をする理由。1つ目は人との繋がりを得るためです。色々作っていると、新しいご縁をいただけるものです。特に同人即売会は、人と出会う機会に恵まれた場ではないでしょうか。例えば、近隣のサークルの方々と名刺を交換して言葉を交わすことが出来ます。同じジャンルのサークルさんであれば、自分の活動につなげることが出来る情報を得られるかもしれません。
近隣のサークルから、自分の知らない・思いもよらない世界に出会えることもあります。過去に出会った中で一番驚いたのは、人形・ドール用の十二単(平安時代のアレです)を作っているサークルさんでした。創っているのは人形師の方。引退してから作品を世に放つ場所を探していたところ、同人即売会というフィールドを見つけたそうです。予想だにしない凄いサークルと出会える可能性を秘めた場、それが即売会なのです。
同人即売会に訪れるのは、サークル参加をされている方だけではありません。一般参加の方々、むしろ母数で言えばこちらの方々の方が多いはずです。サークルスペースの店先に、ペーパーや名刺を置く。あるいは商品を包んだ袋の中に名刺を入れておく。名刺にはSNSのQRコードを掲載…。些細なことですが、これも立派な繋がりを生むきっかけづくりです。
下部の写真は、過去の出店の様子です。テーブル右側に、ペーパーと名刺を配置しています。多くのサークルさんが名刺・ペーパーを置いています。意外と名刺やペーパーだけ持ち帰って、後からフォローしてくれる方もいらっしゃいます。SNSなどの閲覧に繋がるので、大事な工夫です。
かれこれ10回以上即売会に出ていますが、何度かリピーターさんがサークルに訪れてくださったことがあります。過去に名刺やペーパーを渡していなければ、わざわざ足を運んでくださることは無かったかもしれません。イベントの参加情報はSNSの発信でしか見れませんからね。
出会いは、同人即売会だけではありません。TRPGを介して、人とのご縁をいただいたこともあります。シナリオを購入してくださった方が、「ぜひ作者に回して欲しい!」とお声をかけてくださったことがありました。以後、その方とは何度かTRPGで遊んでおります。
あるいは、同じようにTRPGを作成されている方との関りを得ることが出来ました。作成のテクニック・ストーリーの構成…。同業者の方々とのコミュニケーションは、非常に有意義なものです。自分にはない視点・情報をいたいただけます。あるいは、出来立てほやほやのTRPGシナリオで遊ばせていただくこともあります。世界で初のプレイヤーになるのは、楽しいものです。
創作活動は人と繋がるきっかけになります。興味を持ってくださった方や、同業者の方とのご縁をいただけます。友人・同胞のいない人生はつまらないと私は思います。だからこそ人との繋がりを求めて、私は創作活動を続けているのです。
人と”楽しむ”ため
創作活動をする理由。2つ目は誰かと創ることを楽しむため。誰かと創作活動をすることはすごく楽しいです。楽しいから創る。至極単純ながらも、一番強い原動力かもしれません。楽しければいくらでも出来ますから。
事例としては、TRPGの作成でしょうか。私は2023年冬コミにて、「新約 青薔薇と彼岸花の円舞曲」を頒布しました。このシナリオには、”相葉 るり”さんのイラストと、”星音せのん”さんの楽曲が収録されています。音楽やイラストといった、私では創れないジャンルとのコラボレーション。互いの歯車が噛み合い、世界観を創造してゆくのは凄く楽しかったです。
余談ですが、上記のお二人には度々、イラストや音楽の制作を依頼しています。その時、ざっくりとしたバックグラウンド・イメージはお伝えしますが、指示は出し過ぎないようにしています。例えば、キャラクター立ち絵の依頼であれば、キャラクターの年齢・性別・これまでの人生・雰囲気・性格など、ざっくりとしたプロフィール・イメージ像までお伝えします。容姿もおおまかには指定しますが、色の組み合わせ・細部の形状・髪の色や髪型なんかはお任せしてしまう場合が多いです。もちろん「どうしたい?」というお声があれば答えますが、無ければ一任しちゃいます。
これには訳があって、描いてくださる方、作曲してくださる方の楽しさ・オリジナリティの余地を奪いたくないからです。私の細かい指示が多いと、その方の作風・オリジナリティを壊してしまう気がするのです。他者と創作する醍醐味の一つは、自分には出せない作風・角度からの意見を取り入れること。せっかく一緒に創ってくださる方がいるのであれば、仲間の作風・視点・意見を活かしたいものです。彼ら彼女らは、イラストや音楽について私よりずっと詳しい方なのですから。
加えて、あまりにも細かい指示が多いと、創作ではなく作業になりかねません。私が書いた設計書通りの絵を描く・楽曲を創るのは、もはやパーツを組み合わせるだけの作業です。楽しいものではないでしょう。仲間と楽しく創作するためにも、細かい指示は出し過ぎたくないのです。
話を戻します。誰かと楽しむために創作する。私だけではなく、関わって一緒に創ってくださる方にも楽しみながら創作してほしい。あわよくば、仲間がまだ知らない楽しさがあるのであれば、知って欲しい。この楽しさを共有して、一緒に味わいたい。
そんな想いを持っておりますから、”星音せのん”さんを即売会に誘い、一緒に出てくださったときは本当に嬉しかったです。「出展してよかった」「楽しかった」というお声を聞けたとき、「新しい楽しさを共有できた」という嬉しさがありました。
楽しいという感情は、きっと作風にも滲み出ます。ネガティブな感情で創るより、きっといいものが生み出せるはずです。楽しければ継続できますし、自分の技術や練度の向上にも繋がります。楽しい活動であれば、仲間もおのずと集まってくる気もします。楽しさは原動力です。
この先も、楽しく創る
誰かと繋がるため創作する。今までを振り返っても、独りで創ったことは少なかったように思います。即売会に出るときも、(毎回ではないですが)隣に見知った誰かが座っていました。TRPGの作成に関しては、テストプレイ、イラスト、付属音源など多くの方のお力を借りています。私にとって創作は、誰かと繋がるためのきっかけでした。そして、誰かと創ることが”楽しさ”の根源でもありました。
楽しさ重視。他者と楽しみながら。誰かを楽しませる創作活動を続けてゆきます。